2024年2月13日に第11回事業再構築補助金の採択結果発表がありました。公募を締め切りが2023年10月6日でしたから、約4か月をかけて審査をしていたことになりますが蓋を開けてみると、採択率が27.0%と過去最低となり厳しい結果となりました。

過去からの推移

新型コロナウィルス感染症が拡大し、様々な事業者が既存事業で大きな打撃を受けている中、それを打開する取り組みを支援するという目的ででこの事業再構築補助金は始まりました。2021年の第1回から前回の第10回までの採択率は概ね50%前後で推移してきましたので、今回第11回の採択率の低さが際立ちます。

採択結果の推移

なぜ採択発表までに時間がかかったのか

今回の採択発表に至るまでに非常に大きなターニングポイントがありました。それは「令和5年度秋の年次公開検証(「秋のレビュー」)」です。いわゆる「行政レビュー」といわれるものです。その中で事業再構築補助金については外部有識者から以下のような取りまとめがされました。

  • 新型コロナ対策としての役割は終わりつつあるので、基金のうちそれにかかる部分は廃止し、もしくは抜本的に事業を構築し直すべき
  • 申請書・財務諸表の精査、四半期ごとのモニタリングといった仕組みが確立されない限り新規採択は一旦停止すべきであり、それができない場合は基金として継続する必要は認められないため、国庫返納して通常の予算措置とすべき
  • 審査の厳格化とデータの収集の厳格化については、引き続き十分な検討が必要である。

これを踏まえて、審査の見直しなどを行う必要があったため時間がかかったものと思われます。

採択結果から推察されること

採択結果27.0%からもわかるとおり、明らかに今までであれば採択されていたであろう申請も不採択になっていることが推察されます。補助金事務局から公開されている資料「事業再構築補助金第11回公募の結果について」を見てみると、応募件ベースの割合に対して採択件ベースの割合が低いのは「M:宿泊業、飲食サービス業」、「N:生活関連サービス業、娯楽業」となっていました。逆に応募件ベースに対して採択件べ―スの割合が顕著に高くなっているのが「E:製造業」になっており、この辺りに今回の審査の特徴が出ていると思われます。 「M:宿泊業、飲食サービス業」や「N:生活関連サービス業、娯楽業」 で今まで多く採択されていた「ワーケーション」、「グランピング」、「シミュレーションゴルフ」、「パーソナルジム」、「脱毛サロン」などこういった事業での採択はかなり難しかったことが伺えます。

今後の見通し

第12回の詳細はまだ発表されていませんが、行政レビューの結果を経てかなり手が加えられることが予想されます。もしあなたが第12回の申請を検討するのであれば、今までの再構築補助金とは別物くらいの心構えが必要になると思います。くれぐれも補助金コンサルに丸投げするようなことは止めておくことをお勧めします。