あなたが経営者なら「中小企業診断士」という肩書を持った人と関わった経験があるかもしれません。なんとなく聞いたことはあるけど実際よく知らないという経営者の方も多いかもしれません。

中小企業診断士の定義

所轄官庁である中小企業庁のホームページによれば、「 中小企業診断士(以下「診断士」という。)は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。」とあります。
また、その役割について、「 診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。」となっています。

つまり中小企業診断士とは

言葉を分解してみると「中小企業」+「診断」+「士」となります。
なぜ「中小企業」限定なのかというと、所轄官庁が中小企業庁だということと多いに関係あるのですが、日本の全事業者の内、大企業はわずか0.3%、99.7%は中小企業だからです。なので限定しているというより実は大部分をカバーしているのです。
では「診断」とは、何を診断するのでしょうか。それは企業の経営実態です。診断することで経営実態を把握し、課題や課題に対する施策を導きだすのです。
ちなみにこの「診断」という言葉は英語にすると「Consult(コンサルト)」になります。
最後は「士」ですが、これは説明する必要はないと思いますが、ある種の専門知識を持った人に与えられる称号みたいなものですね。つなげていうと、「日本の企業の大部分を占める中小企業の経営状態を診断する専門知識を持った人」ということになります。
簡単に言ってしまうと中小企業診断士とは経営コンサルタントと同義です。

診断イメージ

大企業といえども経営コンサルタントを利用している

わずか0.3%しかない大企業は社内に多くの優秀な人材を抱えているはずですから、外部の力なんて必要ないようにも思えますが、その大企業でさえ大手コンサルティングファーム等の外部の専門家も使って経営戦略等を考えているのです。それはなぜでしょうか。
他社と同じ戦略をとっていれば大成功はなくても、それなりに経営ができていた時代はとっくに過ぎ去りました。バブル崩壊以降、失われた30年、リーマンショック、東日本大震災、そして新型コロナウィルスの拡大など経営を取り巻く環境は複雑性を増していますが、最も大きな理由は日本市場が成長市場でなくなったことだと思います。

社内の人では気づけないことがある

社長をはじめとした企業内の人ならば自分たちの事業のことは一番詳しいはずです。しかし、詳しいからこそ当たり前と思い込んでいることが、実は自社だけや業界だけの常識だったりして、本当は問題にすべきことも見えなくなっていたりすることもあるのです。
中小企業ともなれば、社長が中心にならざるを得ず、社長の意見が全てに優るということも多いと思います。だからこそ、経営コンサルタントのような客観的な視点をもった人が必要になるのです。

中小企業診断士は経営者の味方

あなたが中小企業の経営者であれば経営の舵取りで日々悩んでおられることと思います。経営者は孤独ですし、最終的に決断するのはあなたしかいないのですが、客観的な立場の第三者の意見は多いに参考になると思います。そんな立場の専門家こそが「中小企業診断士」なのです。

あなたも信頼できる「中小企業診断士」を見つけて、経営の舵取りの一助にしてみてはいかがでしょうか。

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