送料無料化ライン導入が、公取からも問題視された楽天ですが、あなたも一度は利用したことがあると思います。個性的なショップも多くamazonとはまた違う魅力もありますよね。

amazonとは似て非なるビジネスモデル

三木谷さん自身が敵はamazonだと公には言ってますが、そもそもビジネスモデルが違うことくらいはわかっていると思います。
両社とも多角化した大企業ですから、もはや〇〇屋という定義は当てはまりませんが、ことEC事業に限るとよく言われるのがamazonは小売業、楽天は貸テナント業ということです。

どういうことかと言うと、amazonは自社に巨大な倉庫を持ち、自前の物流網も構築し、商品を仕入れて直接消費者に販売しています。それに対して楽天は、楽天市場というテナントをショップ運営者に貸して、ショップから手数料や販促費を徴収しているので、楽天の直接的な顧客は消費者ではなくショップ運営者ということです。

さて、それを踏まえて、顧客の欲求を満たすのが商売の基本である事を考えると、
三木谷さんはamazonに対抗するための施策という大義を掲げてはいますが、楽天の顧客であるショップ運営者にしてみれば、送料も含めて自店でさじ加減できる事にメリットがあるのに、強制的に導入には無理があるように思えてきます。

顧客に便益のある施策か

amazonも送料が無料になったり、翌日配送してくれたりしますが、それと引き換えにプライム会費を徴収されています。
amazonがうまいなと思うのは、そのプライム会費を払ってもメリットがあると消費者に思わせていることです。例えば映像や音楽のコンテンツを提供することで。ある意味サブスクリプションモデルの王道を行っていると言っていいでしょう。

楽天がショップ運営者に対して、流通総額が増えるからという一方的な論理の押し付けでなく、顧客であるショップ運営者もメリットを感じられる事とセットで提案すれば、もう少し反発は小さくできたのではないでしょうか。
三木谷さんからすれば、ショップ運営者に対して、「えー俺たち仲間じゃん、amazonに対抗するために協力してよ。」という気持ちだったかもしれませんが、同床異夢だったということでしょうか。

いずれにしろ、送料無料化が今後楽天にとってどういう影響をもたらすか注視したいと思いますが、消費者としては、amazonの1強も面白くないので、楽天は楽天の強みを活かして頑張ってほしいと思います。

楽天のケースから学べること

当社の顧客は誰かを見誤ってはならない。

経営者の悩みは尽きません。